著書紹介
新 刊
『小麦粉を食べると不調になる私たち』
相川スエ 著 幕内秀夫 監修
(2023年3月15日発行・ポプラ社)
グルテン過敏症
パンの常食をすすめられないのは、「精製糖」、「精製脂質」だらけのものを常食することが、塵も積もって大きな問題になると考えているからです。ところが、最近はわずかの期間で体調不良になっている人が増えています。写真は3月15日に発売されたものです。祖母(音楽家)、母(著者・通訳)、娘(小学校3年生)、女性三代の小麦粉との戦いの日々を漫画にしたものです。
著者は娘さんが4歳のころ、あまりにもオナラが多いことに疑問を持ちます。本人も胃炎や胸焼け、頭痛、肌荒れ、便秘、口内炎、生理痛などで一年中悩んでいました。インターネットなどで調べると、小麦粉が原因の「グルテン過敏症」と言う言葉に出会います。30年以上も普通に食べていた小麦粉が原因だなんてありえるんだろうか。疑問を持ちながらも、試しにパンや菓子など小麦粉を含む食品を2週間止めてみました。何とわずかの期間で、娘さんのオナラはピタリと止まります。本人を苦しめていた、口内炎や胸焼け、便秘なども収まり、他の症状も軽減します。それでも、疑問を持ち、再びパンなどを食べ始めると、あっという間に症状が戻ってしまいました。
これは明らかに、小麦粉、そこに含まれるグルテンに原因があると確信します。もしかしたら、同じように気づかずにさまざまな症状で悩んでいる人は少なくないのではないか。あくまでも、親子三代の話に過ぎませんが、多くの人に知ってもらう意味があるのではないかと考え、漫画を執筆しました。日本人と小麦粉の付き合いは最近の話ではありません。うどんや冷や麦、長野だったらお焼きもあります。ただし、今、その小麦粉は大きく変わってしまったのです。
長野市には尊敬する歯科医師谷口威夫先生がいます。随分前になりますが、ほっとパル主催のセミナーでもお世話になっています。先生にお会いした際、何度かお土産に「お焼き」をいただきました。初めていただいたとき、手にした瞬間、その重さに驚いたことを思い出します。なぜなら、ふんわりした肉まんやあんまんをイメージしていたからです。
と同時に材料の小麦粉は「国産」であることがわかりました。現在、日本で使用される小麦粉の約9割は輸入小麦粉になっています。市販されている小麦粉は大きく4つに分けることができます。「強力粉」、「準強力粉」、「中力粉」、「薄力粉」があります。これはそこに含まれるタンパク質(グルテン)の量で分けられています。強力粉がもっともグルテン含量が多く、主に食パンに使用されます。次に多いのが準強力粉でパンや中華麺、餃子の皮など。中力粉はうどん、もっとも少ない薄力粉は天ぷら粉、カステラ、ケーキなどに使われています。戦前(太平洋戦争)までは原則的に国産小麦100パーセントで、「うどん粉」と呼んでいたくらいですから、中力粉が中心でした。
したがってグルテンの摂取量は多くありませんでした。現在、輸入小麦の中で、もっとも多い品種はカナダ産の小麦で、グルテン含量がもっとも多いものです。
同じ小麦粉でも、一昔前とはまったく違うものを口にするようになっています。
私たちが口にする小麦は、一昔前とはまったくちがうものになっています。それだけではなく、小麦を粉にする「製粉」方法も変わりました。一粒の小麦は、大きく3つに分けることができます。胚芽、ふすま、そして胚乳です。それらすべてを粉にしたものを全粒粉と呼びます。それを篩(ふるい)にかけて、胚芽やふすまを取り除いた白い粉が小麦粉です。
ところが最近は製粉技術の進歩により、白い胚乳部分を30から50に分けて粉にすることができるようになっています。わずか数ミリのものを、この部分は「パン用」とか「天ぷら粉用」というように分けられるようになっています。そのことによって、パンなどはよりグルテンの多い、「パン用強力粉」が登場することになっています。そのことで、一昔前には考えられないくらい白くてフワフワのパンが登場するようになっています。
そのことで極めてグルテンの摂取量が多くなっています。おそらく、小麦や蕎麦アレルギーの人がいるように、元々グルテンの合わない人はいたんだと思います。ただ、グルテンを口にする機会が少なかったので、問題が起こす人が少なかったのでしょう。
これだけグルテンの摂取量が増えると、気づかないだけで体調不良になっている人は意外と多いのではないかと思っています。
ただ、最近のパンは砂糖を大量に含むため、スイーツがやめられないのと同じでやめるのが難しい大人も少なくないと思います。でも、子どもを巻き込むことだけは避けたいものです。特別な日のお楽しみ程度にしましょう。
『医・食・農は微生物が支える』
幕内秀夫 姫野祐子
(2021年5月18日発行・創森社)
―腸内細菌の働きと自然農業の教えから―
人の腸内環境は、祖先が悠久のむかしから営々と築き上げてきたもの。ある意味では人は微生物と共生し、共進化の関係を続けてきたともいえる。腸内細菌叢(腸内フローラ)を豊かにすることは、農業で微生物などによって土壌を肥沃にすることに通じるものがある。人の健康も土の健康も、微生物によって支えられていることを具体的に例示。食生活の改善で腸内環境を整え、腸内細菌叢を豊かにし、有益な働きを促して健康の維持・増進に役立てることをわかりやすく手ほどきする。
「子どもをじょうぶにする食事は時間もお金も手間もかからない」
ブックマン社 1,200円(本体)
(2019年10月1日発売)
子どもの食事作りに悩んでいる、すべてのお母さん必読。
「我が子がきちんと食べてくれません」
「好き嫌いが多く困っています」
「どうやったら野菜を食べてくれますか」
「ムラ食いが始まってしまいました」
「忙しくて、栄養バランスを考えるのが大変です」
・・・大丈夫。その悩み、
この本を読んだ後には解決してますよ。
いちばんわかりやすい!
全国のお母さんに、長年にわたり講演をし続けている
幕内先生からのシンプルで大切なメッセージ!