よくある質問

 

「学校給食と子どもの健康を考える会」はいつから活動を始めたのですか?

 

 1998年12月6日、東京(東京農業大学)でシンポジウムを開催したのがきっかけで会が発足しました。そのシンポジウムの内容を編集したものが『完全米飯給食が日本を救う』(学校給食と子どもの健康を考える会編・東洋経済新報社)として発売されています。

どうして学校給食の運動を始めたのですか?

 

 学校給食は、子どもたちの将来にわたる健康づくりの基礎となると考えたからです。今、子どもの健康は危機的状況にあります。成人の糖尿病は予備軍も含めると、推定で1620万人にもなると言われていますが、子どもにも、肥満の増加や糖尿病・高脂血症の傾向が見られるようになりました。それを受けて、身長・体重などの測定だけではなく、血液検査が実施される学校もあります。2019年、香川県では小4~中1の全児童に血液検査をすることが決定しています。
 学校給食は、体のつくられる最も大切な成長期に長い期間食べることになります。そして、そこで身につけた味覚や食習慣が、生涯の健康を決定付けるほどの影響力をもつことを考えれば、学校給食は、子どもたちの健康づくりにふさわしい食事内容の実現を、第一に目指すべきではないでしょうか。正しい習慣を身につけ、元気な子どもに育って欲しいというのが私たちの願いです。


 

給食を改善することと子供の健康はどういう関係がありますか?

 

 会の代表・幕内は医療機関で約三十年間食生活指導をしてきましたが、患者さんの食生活をみているとどんどんひどくなっていると感じていました。特に朝食のひどさが顕著です。たとえば、毎朝、ドーナツに牛乳1本などという主婦さえいます。玄米フレークに牛乳1本などという子どももいます。
どうしてこんなことになってしまったのか?そんな折、幕内の子どもが小学校に入学しました。給食の「献立」を見て愕然としてしまいました。主食が照り焼きバーガー、ホットケーキ、はちみつトーストです。ご飯と味噌汁という当たり前の献立がほとんどありません。
 しかも、それらは「教育」という名の元に実施されています。このような「献立」を見たら、ドーナツと牛乳を食事だと考える主婦がでてきても不思議ではありません。子どもにファースト・フードのハンバーガーを食べさせても悪いことだと思わないとしても当然です。
 食生活がひどくなった原因はたくさんあると思います。しかし、幼児期、小児期の食生活の影響ほど大きいものはありません。その時期に「教育」という名の元にあのような給食を経験させてしまったことが現状に繋がっていると考えました。逆に、給食が素晴らしいものになったら、これほど大きな影響をもつものもありません。なにしろ、給食を食べている子どもたちは約920万人(平成25年度)もいます。給食は「生きた教材」です。給食を良くしなければ食生活が良くなることはありえないと考えたのです。

 

ご飯かパンかより、献立の問題だと思うのですが?

 

 私たちも、ご飯さえ増えればよいというわけではなく、給食の「献立全体」がよくなることを望んでいます。ただ、ご飯が増えなければ「献立」がよくなることはないと考えています。 先にあげた献立を見ればわかりますが、パンが主食の献立には国籍もなければ季節感もありません。主食がご飯になれば、副食も自然と適正なものになりやすくなります。

 

 

 

パンだとどうして献立に問題がでるのですか?

 

 パンは水分が少ないのが最大の特徴です。そのため、そのまま口に入れるとパンに唾液が吸収され、パサパサと感じておいしくありません。それを防ぐためには、口の中を油だらけにすることが必要になってきます。パンにはマーガリンやバターを塗るとおいしく感じるのはそのためです。副食も炒め物や揚げ物、ドレッシングのかかったサラダなどがあうので、献立全体が油脂類だらけになってしまいます。肥満や高脂血症で悩む子どもが増えている現在、油脂類のとり過ぎは大きな問題です。

 

 

 

ご飯もパンも「でんぷん」という点では同じなのではありませんか?

 

 ご飯もパンも同じ「でんぷん質の供給源」と考えている人が大多数だと思います。しかし、パンを手でギュッと握ってみるとピンポン玉程度になってしまうことからも分かるように、パンには、その程度しかでんぷんが含まれていません。そのため、ご飯に比べると腹もちも悪く、パン給食では午後の授業中にお腹が空いてしまい、授業に集中できないこともあります。
 また、ご飯は「粒食」、パンは「粉食」であるという違いもあります。粒食と粉食の大きな違いは、粉食では消化吸収が早く、血糖値が高くなります。血糖値が高くなると膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌され、血糖値を下げるように働きます。たくさん出されたインスリンは、高くなっている血糖値(ブドウ糖)を脂肪にかえて脂肪細胞に蓄えてしまいますので、粉食は太りやすいのです。さらに、インスリン分泌を刺激する食事を続けていると、膵臓のインスリン分泌細胞が疲弊して、やがてはインスリンが充分出なくなってしまい、糖尿病になるとされています。
 つまり、同じでんぷん質であっても、粒で食べるご飯の方が、粉で食べるパンよりも健康によいといえます。


 

ご飯とパンでは安全性にも違いがありますか?

 

 狂牛病、スターリンク(遺伝子組換えトウモロコシ)、雪印食中毒事件、協和香料事件など、我が国の食品汚染の実態はひどいものだと思います。これらすべてが同じ原因ではありませんが、これらの背景には明らかに「輸入食品依存型」の食生活があります。
 たとえば、朝食に「ご飯 味噌汁 漬け物 納豆 目刺し」と、「パン 牛乳 ハムエッグ サラダ」という献立を比較してみるとよくわかると思います。ご飯食の場合でも味噌汁や納豆の大豆には遺伝子組換え食品の心配があるかも知れません。
 しかし、パン食の献立の場合はパンそのものが加工品ですから「食品添加物」の心配があります。パンに塗るマーガリン、バター、ジャムなども「添加物」が使われている可能性があります。ハムも加工品ですから同じ心配があります。ご飯食にすれば何も心配しなくてもいいわけではありませんが、パン食の献立の場合は安全性を考えることが非常に難しくなります。

 

 

たまにはパン給食があってもいいのではないでしょうか?

 

 学校給食は「教育の一環」として実施されているのですから、健康上、好ましくないものを半強制的に食べさせるのはおかしいと思います。どうしても食べさせたかったら自宅で食べさせればいいのではないでしょうか。 また、週に1回や2回ならどうでもいいと考えるかも知れませんが、社員食堂を考えてください。週に1回でもパン食の社員食堂があるでしょうか。昼食がパン食のみだったら怒ると思いませんか。

 

 

農業団体等も「米の消費拡大」を推進していますが?

 

 私たちが運動をするきっかけになったのはその問題もあります。つまり農業団体の「米消費拡大推進運動」では絶対に米の消費が増えないと考えたからです。たとえば農水省は米の消費拡大の運動に予算を使い、一方で牛乳の消費拡大、肉の消費拡大、果物の消費拡大…様々な農産物の消費拡大を推進しています。
 米の消費が減った最大の原因は、消費者が色々な食品を食べるようになったからです。色々な農産物の消費拡大をやったら米の消費拡大などするわけはありません。また、本気で米の消費拡大を考えるなら、先ほども述べましたが、成長期の子どもたちが食べている学校給食にもっと米飯を増やすべきなのです。
 私たちがどこまでやれるかはわかりませんが、少なくとも農業団体に任せておいたら稲作農業は終わってしまうと考えました。

 

 

「米粉パン」が給食に増えていると聞きますが、米の消費拡大や食糧自給率を上げるための解決策になりますか?

 

 米で作ったパンを一生懸命に給食に導入しようとしている自治体があります。ほとんどは県や市の農政課などが進めています。米の消費拡大ということなのでしょう。原料が何であれ、どうしてこれ以上子どもたちにパンの味を教えようとするのか?これまで述べてきたように、パンには国産の野菜や魚介類などは合いません。「米粉パン」は食糧自給率を上げるのではなく、むしろ下げる主食です。そして、油脂依存型の主食は子どもの健康にとって最大の問題です。
 米の消費拡大しか考えていない。そして、それが結果的に輸入食品依存型の食生活を普及することになっていることさえ理解していない。農業団体の関係者で「食生活」を理解しようとする人は極めて少ないですね。ましてや、子どもの健康を考える人はほとんどいないと言わざるをえません。したがって、学校給食の米飯の話になると「余ってる米を子どもたちに食べさせようとするのはおかしい」などという批判を受けることになってしまうのです。ちなみに子どもたちに米粉パンを食べさせたら、将来はふわふわした輸入小麦粉のパンを食べるようになるでしょう。

 

 

 

自分の子どもさえよければというわけではないのですが、やはり給食を食べさせたくありません。給食を断って弁当を持参することはできますか?

 

 学校給食は、元々自由選択性です。絶対に食べなければならないということはありません。実際に東京都の立川市の中学校では、事前に給食か弁当持参かを選択し、給食が必要な場合のみ、校内に設置されている食券予約機から予約するというシステムを導入しています。
 ただ、通常の給食(週5日、全児童に対して)を行なっている学校では、現実的には「一人だけ弁当持参」は「自分だけ違う」ことが子どもさんの心理面に与える影響も考えると悩むところですね。そのような悩みを持たなくてもすむ、いい給食が実践されるように粘り強く運動をしていきたいと思います。

 

 

学校給食は栄養素のバランスを考えた献立になっているのではないでしょうか?

 

 学校給食では、文部科学省が設けている「児童又は生徒1人1回当たりの平均栄養所要量の基準」をもとに、熱量(カロリー)、タンパク質、カルシウムなど数種類の栄養素を計算して「栄養素のバランスを考えた献立」と言っている場合がほとんどです。その数値の基準は、厚生労働省が定める「日本人の栄養所要量-食事摂取基準」を参考に算出されています。それを見ると、13種の栄養素の所用量の基準が掲載されていますが、ほとんどの学校は、その中から熱量(カロリー)、タンパク質など2~3種の計算結果を公表しているのみです。それで栄養素のバランスなど語れるのでしょうか。基準が提示されている13種の栄養素も、そのもととなっている、厚労省の出している「日本人の栄養所用量-食事摂取基準」でさえ、私たちが生きていく上で必要な栄養素のほんの一部です。実際にはその何十倍もの栄養素があり、しかも今現在、すべての栄養素が解明されているわけではありません。したがって、本当の意味での栄養素のバランスを考えた献立は実施されていません。

 

 

それでも「食事摂取基準」の意味はあるのではないでしょうか?

 

 食事摂取基準の数値そのものが信用できません。たとえば、 0歳から 6ヶ月の幼児に必要なカルシウムを考えてみましょう。厚生労働省が1995年にだしたものは、 500ミリグラムになっています。ところが、2000年の発表を見ると、なんと 200ミリグラムになっています。 500ミリグラムが 480ミリグラムになったというのなら、まだ理解できます。それが半分以下に減ってしまっています。厚労省のだしている数値そのものがあてにならないと言わざるをえません。
 また、栄養素の数字合を合わせるために、家庭ではとてもありえないおかしな献立があります。さすがに、「おかしい」と考える自治体もでてきました。文部科学省とは別に独自の「基準」を作成して実施するようになっています。当然のことだと思います。
 

 

 

給食には牛乳がつきものですが、ご飯と牛乳は合わないと思います。牛乳は必ず出さなければいけ ないことになっているのですか?

 

 「ご飯に牛乳は合わない」その通りですね。味覚として合わないために食が進まず、米飯給食の日には残飯が増えるという学校もあり、「和食の献立に牛乳は合わない」「牛乳を飲むとそれだけでお腹がいっぱいになり、給食が食べられなくなる」などの理由で、牛乳を別時間に出す学校もあります。また、完全給食を実施していても、諸々の事情から、牛乳だけは選択制にしたり、まったく出さない学校もあります。
 今までの慣例から、「給食では牛乳を出さなければいけない」と思われていますが、学校給食を管轄する文部科学省では
「牛乳を学校給食で毎日出さなければいけないという規制はない」としています。学校給食というのは、その学校の設置者がどのように実施するか、どの食品を使うかを決めるのであって、制度的には学校給食法が成立した昭和29年から規制は何もありません。ただし、だからといって今すぐ牛乳廃止が可能かといえば、ハードルは相当高いのも事実でしょう。牛乳は選択制にするか、給食とは別時間に出すかが、今のところの現実的な対応なのではないでしょうか。せめてそのくらいは学校側にも考慮してもらいたいものです。

 

 

牛乳がないとカルシウムが摂取できないのではないでしょうか?

 

 先にも述べたとおり、栄養素のバランスを考えるならすべての栄養素を考慮すべきです。カルシウムだけを考えること自体に疑問があります。むしろ、計算するならご飯にみそ汁やお吸い物と牛乳をつけた場合の残飯量を計算して欲しいと思います。ただし、私たちは牛乳廃止の運動をする気はありません。牛乳の廃止の運動をしたり要望を出した例は少なくありません。ただし、実現した例は一つもありません。極めて難しいのが現状です。そして、仮に牛乳がなくなったとしても献立は何も変わりません。それよりも、パンや菓子パン、ハンバーガー、ラーメンをなくすことのほうが大事だと思っています。すべてごはんになれば献立全体が変わることになります。しかも実現可能なことです。    

 

 

給食に米飯は増えたのではないですか?

 

 私たちが子どものころ(約50年前)はすべてパン給食でした。その当時に比べれば増えています。現在は全国平均で週3.5回です。文部科学省などはそれで充分と考えているようです。私たちは子どもの健康問題を本気で考えたら、週に3.5回では充分だとは思っていません。できれば、完全米飯給食が望ましいと思っています。
 完全でなくてもパンはせいぜい月に1、2回程度のお楽しみ程度にすべきだと考えています。

 

 

「完全米飯給食」なんて可能なのでしょうか?

 

 充分可能です。実際に全国で約3600の小中学校が月1,2回しかパンをだしていません。充分に可能な話です

 

 

私の住んでいる自治体は、週に 4回が米飯給食です。やはり、 5回でなければいけないのでしょうか?

 

 全国的にみれば、週に 4回というのは素晴らしいことだと思います。ただし、私たちは学校給食を通して、家庭の食生活も変わることを期待しています。いわゆる「生きた教材」としての可能性があると思っています。その際、週 4回の米飯では、よほど熱心な父母以外はご飯もパンもある給食としか考えません。完全米飯給食になると、「パンがない」ということに目がいく父母が増えると思っています。もしかしたら、「なぜパンがないの?」という違和感を持つ父母もいる可能性もあります。そのことで、ご飯とパンのちがいを理解し、家庭でもご飯が増える可能性があると思っています。実際に、完全米飯給食によって、朝食にも米飯が増えたという話を耳にすることは少なくありません。また、家庭の朝食はどんどんパンが増えています。そのことも考え合わせると、週 4回と完全米飯給食の意味はかなりちがうと考えています。

 

 

給食に様々な問題があるのは「民間委託給食」が増えたことにあるのではないでしょうか?

 

 全国的に民間委託給食に対する反対運動が行なわれています。私たちも民間委託給食には様々な問題があると考えています。しかし、子どもの健康にとって何が大切なのか、自治体直営式(以下、直営式)か民間委託かよりも子どもたちに直接影響するのは給食そのものの内容なのではないでしょうか。
 ひどい民間委託の給食もあります。しかし、直営式の給食が全て良いとは言えません。それが現状です。民営化の問題の良し悪しは別の問題(労働問題)として考えるべきだと思います。私たちは成長期の子どもにとって本当に良い給食なら、直営式でも民間の業者でもいいと考えています。何よりも優先されるべきは「子どもの健康」だと考えています。

 

 

センター給食が増えたので米飯給食が増えにくいのではありませんか?

 

 センター給食(共同調理方式)だから米飯が少ないということはありません。むしろ、センター給食のほうが多いと思います。

 

 

 

都会ほど食生活に関心の高い父母が多いと思います。それなのにどうして米飯回数が少ないのでしょうか?

 

 現在のところ、学校給食の米飯回数は都会ほど少なく、地方ほど多くなっています。明らかに農業事情が米飯回数を決めていると言えます。
 もう一つ、見逃せないのは都会ほど給食改善運動が盛んだということです。都会ほど県会議員、市会議員などが「学校給食の問題」を争点にして当選しています。その趣旨は、先ほど取り上げた「民間委託反対」、あるいは「安全・安心の給食」という主張です。「安全・安心」の意味は、無添加、無農薬、無遺伝子組替え食品などです。ある意味で、正しい要求だと思います。しかし、学校給食の父母負担は 248円くらいになっています。もし、無農薬、無添加、無遺伝子組替え食品を使用した給食が実現されたら父母の負担はいくらになってしまうのでしょうか。仮にそれが実現されたとしたら、全員の父母が喜ぶとは思えません。
しかも、全国、どこを探してもそのような給食の公立学校はありません。残念ですが、それを実現することは非常に難しいと言わざるをえません。それらを主張する政治家は、厳しい言い方ですが、本当に給食が変わることを望んでいるとは思えません。
 再度繰り返せば、パンをご飯に変えれば、遺伝子組替え食品も食品添加物も農薬も減らすことができます。しかも、全国で約3600校が実施していることです。ところが、都会では「安全・安心の給食」という主張をする人たちがいるために、父母が実現可能な提案に目が向かない傾向になっています。そのことも都会の給食が変わらない原因の一つになっています。

 

 

米飯給食を増やせば、食品の安全性も高くなるというのは納得できます。それなのに、どうして実現の難しい主張をする政治家がいるのでしょうか?

 

 はっきり言いまして、それらの政治家は食生活を真剣に勉強したことがないということです。本気で子どもたちに少しでも安全な給食を食べさせたいと思ったら、米飯給食を増やすことを要求するはずです。そして、食生活を理解していないことさえ気づいていない場合がほとんどです。無農薬、無添加、無遺伝子組替え食品の問題は、文字通り「食品」の話です。良い食生活を実現するためには、「良い食品」、できる限り安全な食品も必要になります。しかし、食生活を考えたことがないのですから。「学校給食のパンを無添加にしましょう」などと主張している人もいます。
 しかも、食品の安全性の問題はわかりやすいのです。食品の安全性について指摘している研究者の真似をして、「反対」を叫んでいればいい。わかりやすいのです。私たちも学校給食に何を望むかを別にすれば、やはり食品の安全性は大切なことだと思っています。いつの日か、そのような学校給食が実現されることを願っています。

 

 

なぜ、米飯給食を増やすのは難しいのでしょうか?

 

 それは単純に、今まで子どもの健康のために米飯給食を増やそうと主張した人たちがほとんどいなかったからです。農業事情から米飯を増やそうという主張はありましたが、子どもの健康がありません。それにはいろいろな理由があると思いますが、最大の理由は「ご飯とパンは同じでん粉質の供給源」だと思っている人がほとんどだからです。現在の栄養教育ではご飯もパンも同じだと教えられています。学校給食を担当する栄養士さんのほとんどもそのような教育を受けてきました。したがって、行政も教育委員会も父母も、子どもの健康のために米飯給食を増やす必要性を感じてきませんでした。それが米飯給食が増えない最大の原因です。

 

 

自治体に完全米飯給食を要求したところ。「パン屋さんの経営的な問題があるからできない」と言われてしまいました。実際はどうなのでしょうか?

 

 全国で完全米飯化したところを調べると、そのような問題は極めて少ないのが現状です。何しろ、学校給食の場合は、夏休みなどもありますから、給食云々で経営に影響がでることは少ないと考えています。ただし、実際に売上げが減ることは事実でしょう。あるいは、経営的に苦しくなることもないとは言えません。しかし、なぜ、学校給食だけパン屋さんの経営を考えなければならないのでしょうか。たとえば、社員食堂などは民間の給食会社がやっている場合が多いわけです。大きな工場などは、その売上げが何億になっているところもあります。しかし、あまり評判が良くない場合は、翌年に別の業者に変える例は山ほどあります。どんな仕事だって同じことだと思います。
 そして、学校給食の場合は「学校給食法」という法律があります。その弟一条には「目的」が書かれています。「この法律は学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ…」。つまり、子どもの健康のために運用されるものだと明記されているわけです。したがって、子どもの健康よりも、パン屋さんの経営を優先するというのはおかしいのです。そのような自治体は、「パンを増やしましょう」と要求し
てもやらないでしょう。要は、やる気がないだけの話だと思います。

 

 

米だけではなく、地元の野菜や魚介類を給食に使うように要求していますがうまくいきません。どうしたらいいでしょうか?
 

 たくさんの方々から「私たちも同じ運動をしてきましたがうまくいきません」という話をお聞きします。本当に米飯給食だけを要求したのですか?と聞くと一番多いのが米だけではなく、野菜や魚介類も地元のものをという要求です。私たちもそのような学校給食が増えることを願っています。実際に、ほとんどの食材を地元のものにしている自治体もあります。しかし、先にも紹介したように、学校給食には予算もあります。労働の問題もあります。米の場合は保存もできますから、それほど難しくありません。しかし、野菜や魚介類などは生鮮物ですから、そう簡単なことではありません。規模の大きいセンターや学校の場合は品揃えも難しくなります。米だけではなく、野菜や魚介類までも求たるがゆえに、米飯が増えなくなってしまっている例も多いように感じています。そして、完全米飯給食になった自治体のほとんどが、地元の野菜、魚介類などを使うようになっています。

 

 

「給食の会」ではどのような活動を行なっているのでしょうか?

 

 ご飯とパンのちがいを多くの人に理解していただくための講演会を行なっています。全国の活動を合わせると、年間に20~30回の講演会・交流会を行なっていると思います。

 

 

講演活動で変わりますか?

 

 もっといい方法があるのかも知れません。しかし、ご飯給食が増えない最大の問題点は前にも述べましたように、ご飯とパンのちがいを理解している人が少ないことだと考えています。多くの人にそれを伝えることが何よりも大切だと思っています。また、私たちの会は経済的にもバックボーンがあるわけではありません。専従の職員もいません。このような活動しかできないとも言えるかも知れません。
 私たちには力はありませんが、講演会をすることで理解ある医療者、農業関係者、教育関係者、政治家、法律家、父母などが確実に増えました。
私たちが運動を始めた16年前、完全米飯給食の小中学校は約900校でした。現在、3600校を越しています。完全米飯ではありませんが、米飯回数が増えた学校は把握できないくらいになっています。もちろん、これだけ増えたのは私たちの運動によるものだけではありません。しかし、かなり、私たちの運動がきっかけになっていることは事実です。県議会や市議会、町村議会でもたくさん議論されています。順調なのか、もっといい方法があるのかよくわかりません。ただ、当面は理解者を増やすことを目標に講演 活動をしていくつもりです。

 

給食の会の支部を立ち上げたいと思っていますが、どうすればよいですか?募集などはありますか?

 

 支部活動は、ただ講演会を開催していただくだけ活動です。署名運動や請願書の提出などは一切やりません。それでこれだけ全国の給食が変わってきました。支部発足を希望される場合は、「有志講演会」を2回実施していただきます。そのうえで、「支部発足」を希望される場合は、話し合いの上で決定しています。「有志講演会」を希望される方は、以下のメールに「有志講演会希望」と書いて「案内」を請求してください。

fandh-2@arion.ocn.ne.jp

 

給食の会の支部が無い地域に住んでいますが、会としての講演会を実施したいと考えています。支部を立ち上げなくても講演会を開くことは可能ですか?

 

 可能です。「支部活動」の場合は、継続的な運動、お住まいの地域だけではなくある程度広範囲の活動の意志がある場合に限っています。そのため、簡単ではありません。「有志講演会」の場合は、それほど条件を厳しくしていません。現在は、「支部」による講演会よりも、「有志」による講演会の方が多くなっています。それによって給食が変わる例が出てきいます。ご検討ください。

 

全ての学校が「完全米飯給食」になることを願っています。そのために何かしたいのですが、 一個人としてできる初めの一歩はなんでしょうか?

 

「完全米飯給食」の必要性を多くの方に気づいてもらうには、「ご飯とパンは違う」ということを知ってもらうことが先決だと思っています。理解者が増えれば必ず給食は変わります。お近くで給食の会の講演会があった際、一人でも多くの方に声をかけていただくことが一歩だと考えています。ご協力宜しくお願いします。

 

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